中小企業の自社株相続で失敗しないために
経営の“理念”と“資産”を同時に引き継ぐ方法

《悩み相談内容》

ある経営者から、こんな相談を受けました。

「自社株の相続について、何から手をつければいいのか分からない。
税金が高いと聞くし、後継者もまだ明確に決まっていない。
会社を守りたいけど、何を準備すればいいのか…」

実は、この悩みは全国の中小企業経営者が共通して抱えています。
自社株相続は“お金の問題”であると同時に、“理念と信頼のバトンをつなぐ問題”です。
しかし、準備が遅れると「多額の相続税」「株式分散」「経営権の喪失」といったリスクが発生します。
この記事では、実際に多くの中小企業が陥っている課題を整理し、
一般的な実務的対策と、5方良し経営の観点から見た“理念を守る相続”の考え方を解説します。

目次

《回答》
自社株相続は、“経営の承継”と“信頼の承継”を
同時に設計することが重要

中小企業における自社株相続の目的は、「税金を減らす」ことではありません。
真の目的は、経営の安定・理念の継続・社員と顧客の信頼を守ることにあります。

相続対策は、節税や分割のための一時的な手段ではなく、
「次の世代が安心して経営できる仕組み」をつくる経営戦略そのもの。

経営者が今できる準備は3つです。

  1. 節税対策と経営承継対策を一体で設計すること。
  2. 自社株の現状(評価・保有割合・分散状況)を正確に把握すること。
  3. 後継者と理念・ビジョンを共有し、信頼関係を築くこと。

《︎結論》
“誰に・どのように”株を託すかが、会社の未来を左右する」

多くの経営者が“いつかやろう”と後回しにしてしまうのが、自社株の承継です。
しかし、自社株は会社の“心臓”です。これを誤って扱うと、理念も組織も崩れます。

後継者がいない、株式が分散している、親族間で意見が割れる。
こうした問題は、すべて「準備不足」が原因です。

だからこそ、自社株の承継は“今から始める”ことが最大のリスクヘッジです。
そしてその準備を、単なる税務手続きではなく、“理念を未来につなぐプロジェクト”として進めることが、
5方良し経営の考え方です。

悩みの分解
中小企業が「自社株相続」でつまずく5つの構造的課題

1. 自社株の現状が把握できていない

自社株対策の第一歩は、「今、自社の株が誰にどれだけあるのか」を正確に知ることです。
しかし現実には、多くの経営者が「株主名簿」「議決権比率」「評価額」を正確に把握できていません。

●背景

中小企業では創業以来、増資や役員変更、家族間贈与などが複雑に行われており、
その都度の株式異動をきちんと整理していないケースがほとんどです。
「社長が実質的に支配しているから大丈夫」と思っていても、
名義上は家族・親族・元役員に株が分散していることもあります。

●典型的な問題例

  • 代表者が大半を保有しているように見えて、実際は名義株が含まれている。
  • 株主名簿が更新されておらず、誰が何株を保有しているか不明。
  • 相続税評価額を把握していないため、相続発生時に多額の納税負担が発生。
  • 過去の譲渡履歴が整理されておらず、会計事務所も正確な株価を算出できない。

●影響

この状態で承継を進めようとすると、
「どの資産をどのように引き継ぐのか」という前提が曖昧になり、
いざ相続が発生した際に、親族間での争い・株式譲渡不能・経営権の分裂が発生します。

●本質的課題

“自社株の現状を知らない”ということは、“会社の未来をコントロールできない”ということ。
まずは現状把握と棚卸しから始めることが、全ての出発点です。

2. 後継者が決まっていない・育っていない

日本企業の約3分の2が後継者不在といわれています。
経営者が元気なうちは「まだ自分がやれる」と思いがちですが、
突然の体調不良や不慮の事態が起きたとき、準備がないと会社は一瞬で迷走します。

●背景

中小企業では「親族に継がせたいが、本人に意欲がない」「社内に適任者がいない」というケースが多く見られます。
また、後継者が決まっていても、経営を引き継ぐための実務的・精神的な育成が不十分なまま任せてしまうケースも少なくありません。

●典型的な問題例

  • 候補者が複数おり、親族間・役員間で意見が割れている。
  • 後継者が経営数字を理解しておらず、銀行対応や戦略策定ができない。
  • 社員・取引先が「新しい社長に信用を置けない」と不安を抱く。

●影響

経営者交代時に組織が混乱し、離職・業績悪化・取引縮小が発生。
金融機関からの融資条件が悪化するケースもあり、会社存続そのものに影響を与えます。

●本質的課題

“後継者問題”は単なる人材問題ではなく、“信頼継承の問題”です。
次世代への引き継ぎは「時間」をかけて準備しなければ成立しません。

3. 株式・財務・資産の整理ができていない

自社株承継では、「株主構成」「会社資産」「個人資産」「借入金」「保証」が複雑に絡み合います。
これを整理しないまま承継を迎えると、思わぬ混乱を招きます。

●背景

創業者が長年にわたり会社と個人の資産を混在させて運営してきた場合、
どこまでが会社の財産で、どこまでが個人の資産なのかが不明確になります。

●典型的な問題例

  • 工場や店舗が社長個人名義のまま。
  • 役員貸付金・借入金の整理がされておらず、貸借対照表が実態と乖離している。
  • 株主間契約がなく、相続時に議決権が分散して意思決定ができない。

●影響

株式譲渡・相続がスムーズにできないだけでなく、税務リスク・資金繰りリスク・信用低下につながる。
また、金融機関が融資判断を保留するケースもあり、経営継続の障害となります。

●本質的課題

財務整理を「税金対策」ではなく「経営の土台再構築」と捉えること。
数字の見える化こそ、次世代への最高のギフトです。

4. 税務・節税設計が不十分

自社株の相続では、相続税・贈与税・所得税など複数の税制が複雑に絡み合います。
これらを理解せずに進めると、「節税したつもりが損をする」ケースも少なくありません。

●背景

中小企業経営者の多くは「顧問税理士に任せているから安心」と考えています。
しかし、事業承継に精通していない税理士の場合、制度活用や時期調整のアドバイスが不十分なことがあります。

●典型的な問題例

  • 株価引き下げの工夫(役員退職金・設備投資)をせずに相続発生。
  • 事業承継税制を活用せず、全額課税される。
  • 納税資金の準備がないため、相続後に株を売却せざるを得なくなる。

●影響

本来守れるはずだった会社を、納税資金のために手放す事態にもなりかねません。
また、節税に偏りすぎると、利益を圧縮しすぎて企業体力を失う危険もあります。

●本質的課題

節税とは「会社を守るための戦略」。
“税金を減らすこと”が目的ではなく、“未来の投資を守ること”こそが真の節税です。

5. 社員・取引先・地域社会の信頼が承継されない

多くの経営者が勘違いしているのは、「株を渡せば経営は続く」という考え方です。
実際には、信頼・文化・理念こそが最も重要な承継資産です。

●背景

中小企業では、「社長=会社そのもの」として認知されています。
顧客・取引先・社員・地域社会は“社長個人への信頼”を前提に付き合っている場合が多く、
その信頼が承継時に途切れると、取引や採用にも影響します。

●典型的な問題例

  • 承継を秘密裏に進めた結果、社員や取引先が不信感を抱く。
  • 後継者が理念を語れず、社内に不安が広がる。
  • 地域メディアや業界団体への発信が遅れ、「経営が不安定なのでは」と誤解される。

●影響

信頼が失われると、会社の価値は一瞬で下がります。
相続税や株価よりも、“信頼残高”の方が企業存続にはるかに大きく影響します。

●本質的課題株式だけでなく、「理念と信頼をどう継承するか」を明確に設計すること。
これが5方良し経営の本質であり、単なる財産承継ではない「価値の承継」です。

この章のまとめ

自社株相続の課題は、すべて「見えない部分」にあります。
数字、信頼、理念、それらを同時に整理することで、会社は次の100年を迎える準備ができます。

一般的な解決策》
数字・人・理念を同時に引き継ぐための5つの実践ステップ

1. 自社株の現状把握と評価

●背景

自社株相続で最初にすべきことは、「会社の今の状態を正確に見える化する」ことです。
ほとんどの中小企業では、株式の名義・議決権比率・評価額が曖昧なまま放置されています。
そのため、相続が発生した瞬間に「誰がどのくらいの価値の株を相続するのか」が分からず、トラブルに発展します。

●具体策

  • 顧問税理士・会計士・金融機関などと連携し、現在の株価(相続税評価額)を正確に算出する。
  • 株主名簿・議事録・登記情報を確認し、誰が何%を保有しているのかを一覧化。
  • 現預金・不動産・設備・有価証券・借入金などの資産台帳を整備し、会社の純資産を可視化する。
  • シミュレーションソフトや専門家の試算により、将来の相続発生時の税額を事前に確認しておく。

●実行ポイント

  • 「毎年決算後に株価を把握する」というルールを作る。
  • 株式の動き(贈与・譲渡)を全て記録し、経営計画書に反映させる。
  • 財務諸表だけでなく、“株式のストーリー”も後継者と共有しておく。

●効果

→ 数字を明確にすることで、「何を」「誰に」「どう渡すか」の判断ができるようになります。
後継者教育・節税設計・融資交渉にも活用でき、経営全体の見通しが格段に高まります。

2. 後継者の早期選定と育成

●背景

自社株承継において「誰に引き継ぐか」が最も重要なテーマです。
しかし、多くの経営者は「まだ自分が現役だから」と後継者選びを先延ばしにし、結果的に引き継ぎが間に合わなくなります。

●具体策

  • 親族・社内・外部など、複数の後継者候補をリストアップし、
    理念共感・経営センス・信頼性で比較。
  • 5~10年の長期スパンで育成計画を立て、
    現場経験・経営会議参加・財務理解・顧客折衝などを順序立てて学ばせる。
  • 社員や幹部に後継者候補を紹介し、社内外からの信頼醸成を段階的に進める。
  • 外部研修・MBA・経営塾などを活用し、後継者に経営者としての視野を与える。

●実行ポイント

  • 「社長の分身」として理念・判断軸・言葉遣いを共有する時間を意識的に持つ。
  • 経営計画の策定や資金繰り会議に同行させ、経営者としての勘を養わせる。
  • 承継時期を“曖昧にせず”、逆算スケジュールを立てる。

●効果

→ 会社の文化と信頼が自然に次世代へ引き継がれ、
社内外から「この人なら安心」と思われる体制が整う。
結果として、承継後も社員・顧客・金融機関が離れにくくなります。

3. 株式・資産・保証の整理

●背景

自社株相続で混乱する最大の原因は、「個人と会社の資産が混ざっている」ことです。
長年の経営の中で、社長個人名義の不動産・借入金・保証が会社と絡み合っており、それを明確にしないまま承継を迎えると、大きなトラブルになります。

●具体策

  • 不動産登記・預金口座・保険契約などを精査し、会社資産と個人資産を完全に分離する。
  • 会社の借入金に対する個人保証・担保提供の見直しを行い、可能な範囲で解除・移行する。
  • 議決権の集中を図るために、株主間契約(株式譲渡制限・議決権行使ルール)を作成する。
  • 株式分散防止のため、持株会制度・信託スキームを検討。

●実行ポイント

  • 弁護士・司法書士・税理士の専門チームを組み、法務・税務の両面から整理する。
  • 財務データを経営ダッシュボードに可視化し、「承継に耐えうる経営体質」を構築。
  • 承継に必要な書類(株主総会議事録・契約書・評価表)をクラウドで一元管理。

●効果

→ 株式・資産・保証の整理は、「トラブル防止」と同時に「信用力向上」につながります。
銀行・取引先からの評価が上がり、承継後の融資や投資も受けやすくなります。

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4. 税務・節税対策の設計

●背景

自社株承継の最大の壁は「税金」です。
相続税・贈与税・所得税の負担を軽視すると、せっかく築いた会社を守れない結果になります。

●具体策

  • 事業承継税制(贈与税・相続税の納税猶予制度)を活用し、課税負担を大幅に軽減。
  • 株価引き下げのために、役員退職金・設備投資・借入金整理などを実施。
  • 相続時精算課税制度を活用し、タイミングを分散して計画的に贈与する。
  • 保険・共済・退職金制度を活用し、将来の納税資金を積み立てる仕組みを作る。

●実行ポイント

  • 税金の削減だけでなく、資金繰りと経営体力の維持を重視する。
  • 「節税」だけでなく「投資」として設計し、人材育成・設備強化にもつなげる。
  • 承継税制の要件・期限・特例を常に最新情報で管理する。

●効果

→ 税負担を抑えながら、会社のキャッシュフローを健全に保つことができます。
経営の自由度が増し、後継者が安心して投資判断できる体制が整います。

5. 理念・信頼の承継プログラムを構築

●背景

株式や資産だけでなく、「理念・文化・信頼」を次世代へ残すことこそが本当の事業承継です。
この部分を設計しないまま引き継ぐと、会社の“魂”が失われ、承継後に社員が迷い始めます。

●具体策

  • 経営理念・沿革・成功事例・失敗経験をまとめた「理念ノート」を作成し、後継者と共有。
  • 社内外に「理念共有会」「承継式」などを開催し、社員・取引先に想いを伝える。
  • 顧客・地域・金融機関に対して、承継の目的と会社の未来像を発信。

●実行ポイント

  • 経営者が“言葉”ではなく“行動”で理念を示し、後継者に体感させる。
  • 理念と経営指標(KPI)を連動させ、経営判断が理念に基づくよう仕組み化。
  • 「社長の分身制度」として、理念・判断軸・ビジョンをデジタル化して残す。

●効果→ 承継後も会社の文化と信頼が途切れず、社員・顧客・地域が安心して応援できる。
「理念×数字×信頼」が三位一体で継承されることにより、真に“100年続く企業”への道が開けます。

この章のまとめ

自社株承継を成功させる鍵は、「数字」「人」「理念」を同時に整えること。
この3つのバランスを保ちながら準備することで、節税・信頼・成長のすべてを両立できます。

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5方良し経営的解決策
「理念」と「信頼」を次世代へ引き継ぐための
経営承継5ステップ

1. 会社(社長)良し
承継を「理念再生のタイミング」と捉える

●背景

多くの経営者が、事業承継を「引退」「終わり」と捉えています。
しかし、5方良し経営の視点で見ると、それは“再出発”のチャンス。
経営者自身がこれまで築いた理念・文化・信頼を、もう一度見直し、
次世代の時代に合わせて再設計するタイミングなのです。

●実践ポイント

  • 「会社をどう残すか」ではなく、「なぜ残すのか」を問い直す。
  • 自社の存在意義(Purpose)を再定義し、社会に対してどんな価値を提供するのかを言語化する。
  • 承継計画の中に「理念継承のセッション」を組み込み、後継者や社員に社長自身のストーリーを語る。
  • 会社のロゴ・ビジョン・理念書などを刷新し、「次の50年に通用する軸」に再構築。

●具体例

ある老舗製造業では、創業50年を機に「伝統を守る会社」から「環境と共に進化する会社」へ理念を再設計。
これにより、承継後も社員の誇りと共感が高まり、離職率が下がり、業績も安定しました。

●効果→ 社長自身が理念を語り直すことで、会社の“魂”が再び燃え始めます。
それが後継者や社員の心に伝わり、経営の連続性と信頼が自然に生まれます。

2. 従業員(己)良し
社員が理念と未来を共有できる環境をつくる

●背景

経営者の承継において最も重要なことは、「社員の心の承継」です。
株や地位は一瞬で引き継げても、信頼と共感は時間をかけて築くしかありません。
社員が社長の想いを理解し、後継者にも同じ信頼を寄せられる環境を整えることが大切です。

●実践ポイント

  • 理念共有会を定期開催し、創業当時の想い・転機・苦労話を直接語る。
  • 承継イベントを社内で実施し、後継者が自らの言葉でビジョンを発表する場を設ける。
  • 社員対話プロジェクトを立ち上げ、全員が「自分は会社の未来にどう関わるか」を考える機会を提供。
  • 従業員代表や管理職を巻き込み、承継計画に「社員の声」を反映させる。

●具体例

ある中堅建設会社では、承継前に「理念合宿」を開催。
創業者と後継者、幹部社員が共に経営理念を見直し、「安全・誠実・挑戦」という言葉に磨きをかけました。
結果、承継後も社員の団結力が維持され、業績が前年対比130%に。

●効果→ 社員が“他人事”ではなく“自分事”として会社の未来を語れるようになります。
承継は「社長交代」ではなく、「全員参加の未来プロジェクト」へと進化します。

3. 顧客良し
顧客との関係性を“引き継ぐ資産”として可視化する

新規顧客を獲得するより、既存顧客を維持するほうが5倍コストが低いといわれます。

●背景

経営承継における最大のリスクの一つが「顧客離れ」です。
取引先や顧客は、“商品や価格”よりも“社長本人”への信頼で関係を築いているケースが多い。
その信頼を“見える形”で次世代へ渡すことが重要です。

●実践ポイント

  • 顧客名簿だけでなく、顧客ごとの信頼履歴(取引年数・担当・関係メモ)を整理。
  • 後継者を伴い、主要顧客への同行訪問・面談を行い、信頼の引き継ぎを丁寧に進める。
  • 顧客感謝イベント・ニュースレター・オンライン座談会などを通じて、承継後も絆を維持。
  • 「社長が変わっても理念は変わらない」というメッセージを発信し、顧客に安心感を届ける。

●具体例

ある老舗旅館では、代替わりの際に“理念発信冊子”を顧客に配布し、
創業者の想いと後継者の決意を伝えました。
その結果、顧客離れがほとんど起きず、口コミ・紹介数がむしろ増加しました。

●効果→ 顧客は「商品ではなく、信頼を買っている」。
理念を軸にした関係性の可視化は、次世代にとって最強の“無形資産”になります。

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4. 世間良し
地域・業界から応援される承継モデルを構築する

●背景

事業承継は、会社の内輪の出来事ではなく、“地域社会に影響するイベント”です。
地元経済・雇用・取引関係において重要な役割を果たす中小企業だからこそ、
社会への透明性と誠実さが求められます。

●実践ポイント

  • 承継をプレスリリース・地域新聞・SNSで発信し、地域や業界に「未来への決意」を見せる。
  • 地域との共創イベント(地元学校とのコラボ、地域フェア出展など)を通して新社長を紹介。
  • 承継を機にCSR・SDGs・環境経営の取り組みを強化し、社会的信頼を高める。
  • 金融機関・行政・業界団体と連携し、地域に根ざした「共存共栄モデル」をつくる。

●具体例

ある食品メーカーでは、事業承継を地域紙で公開し、「地域の味を未来へつなぐ」という特集記事を組みました。
この取り組みが話題となり、新しい取引先や若手社員の応募が増えました。

●効果→ 透明性と社会性を持った承継は、“応援される会社”を生みます。
承継を通じて「会社×地域×未来」をつなぐ関係性が構築され、ブランド力も向上します。

5. 次世代良し
理念教育と継承の仕組みを制度化する

●背景

自社株や経営権を渡すことは簡単でも、“理念”を継承するには時間と仕組みが必要です。
理念を一度伝えるだけではなく、世代を超えて“育ち続ける文化”にすることが、100年企業の条件です。

●実践ポイント

  • 理念・沿革・社史を体系的にまとめた「理念継承プログラム」をつくる。
  • 若手社員・幹部・後継者が一緒に学ぶ“理念研修・歴史共有会”を定例化。
  • 承継後も理念を実践できるように、行動指針・評価制度・教育カリキュラムに理念を組み込む。
  • 「理念継承委員会」や「後継者教育チーム」を設立し、理念を組織的に守る。

●具体例

老舗メーカーでは、創業家三代にわたって「理念の語り継ぎ会」を開催。
社長交代のたびに社員全員で理念を再定義する文化を築き、
70年以上にわたって顧客・社員・地域の信頼を維持しています。

●効果→ 理念が制度化されることで、世代交代のたびに会社が“進化”する。
後継者は「前社長のコピー」ではなく、「理念の継承者」として新たな時代を切り拓く存在となります。

この章のまとめ

事業承継とは、「株を渡すこと」でも「引退すること」でもなく、
“理念と信頼を未来に託す経営のリレー”です。

5方良し経営の視点で設計すれば、
会社(社長)・社員・顧客・社会・次世代の全員が幸せに続く承継モデルが実現します。
それは単なる相続ではなく、経営の進化そのものなのです。

社長の分身「理念を未来へ引き継ぐ“仕組み”を今つくる」

自社株相続の本質は、数字でも制度でもありません。
それは、経営者の想いを“形として未来に残す”こと。

もし経営者が急にいなくなっても、
理念・判断基準・価値観・ビジョンが社員に残っていれば、会社は生き続けます。

そのためには、経営者が自らの分身を育てる。
すなわち「理念を継承する仕組み」を整えることが必要です。

  • 理念ノート、動画メッセージ、承継会議などで想いを残す。
  • 後継者だけでなく、社員全員が理念を語れるようにする。
  • 社内の判断軸に“社長の想い”が反映される仕組みをつくる。

そうすることで、会社は「社長の人生の延長線」から、「理念が生きる組織」へと進化します。

まとめ

自社株相続とは、「経営権の移転」ではなく「理念の継承」。
数字の裏側には、人の想い・信頼・文化があります。

5方良し経営の視点で考えれば、
会社(社長)・社員・顧客・地域・次世代のすべてが喜ぶ相続の形を設計できます。

それが、単なる節税や株式移転を超えた、“理念経営としての事業承継”です。

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この記事を書いた人

テクノロジー時代だからこそ、5方良し(会社、顧客、従業員、世間、次世代良し)の経営思考が重要になると考え、広めていくために役に立つコンテンツを投稿し、セミナーを実施しております。

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