なぜ人が集まる会社になる?
『働きたい会社の作り方』を徹底解説!

「求人を出しても応募が来ない」「給与を上げたのに採用できない」「せっかく採用してもすぐ辞めてしまう」「社員から知人を紹介してもらえない」「優秀な社員ほど転職してしまう」「もっと主体的に働いてほしいのに、指示待ちになっている」。このような悩みを抱えている経営者は少なくありません。人材採用が難しくなると、多くの会社では給与を上げる、休日を増やす、福利厚生を充実させる、求人媒体を増やす、採用サイトを作るといった施策を考えます。もちろん、これらも重要です。しかし、求人条件を改善するだけで「働きたい会社」になるわけではありません。

求職者は入社前には給与、仕事内容、勤務地、休日などを比較します。しかし、入社した後には「この会社には将来性があるのか」「自分は成長できるのか」「上司は信用できるのか」「努力は正しく評価されるのか」「仕事に意味を感じられるのか」「会社が成長したとき、自分にも良いことがあるのか」といった部分を見るようになります。つまり、「入りたい会社」と「働き続けたい会社」では必要な条件が違います。

そのため、働きたい会社を作るときに「何を付け足せば社員が喜ぶか」だけを考えるのでは不十分です。なぜこの会社で働くのか、何を目指している会社なのか、社員はどのように成長できるのか、頑張った人はどう評価されるのか、会社が儲かったとき社員へどう還元されるのか、仕事を通じて顧客や社会へどんな価値を生み出せるのか。こうした一つひとつをつなげる必要があります。働きたい会社は、福利厚生を増やして作るものではなく、社員の仕事と人生に価値を生み出す経営構造から作るものです。

さらに重要なのは、採用候補者へ見せる会社と、実際に社員が働いている会社を一致させることです。採用ページでは「若手が挑戦できる会社」と書いているのに、入社すると何をするにも上司の許可が必要。「社員を大切にする」と書いているのに、評価理由が説明されない。「成長できる会社」と書いているのに、教育制度もキャリア制度もない。この状態では、採用できたとしても期待とのギャップが生まれます。働きたい会社づくりとは採用広告を魅力的にすることではありません。現在働いている社員自身が「この会社で働いていて良かった」「これからもここで働きたい」「友人にも紹介したい」と感じられる会社を作り、その実態を求職者へ伝えることです。この記事では、そのために会社の何を変えるべきなのかを経営全体から解説します。

目次

よくある誤解

1.給与を上げれば働きたい会社になる

給与は生活に直結するため非常に重要です。著しく低い給与では、人材を採用することも定着させることも難しくなります。しかし、給与だけで働きたい会社を作れるわけではありません。給与は高いが毎日長時間労働が続く、上司から正当に評価されない、仕事に成長性がない、経営者を信用できない。このような会社では、社員が条件だけを理由に働く状態になりやすくなります。給与を適正に整えながら、その会社だから働きたいと思える理由を作る必要があります。

2.福利厚生を充実させれば社員は辞めない

住宅手当、食事補助、特別休暇、社員旅行、社内イベントなど、福利厚生も社員にとって価値があります。しかし、社員が本当に困っているのが評価への不満、上司との関係、仕事量、将来への不安なのであれば、福利厚生を一つ増やしても根本的な問題は解決しません。制度を増やす前に、社員がなぜ会社へ不満を感じているのかを確認する必要があります。大切なのは福利厚生の数ではなく、自社の社員が本当に必要としている環境を作ることです。

3.楽な会社ほど働きたいと思われる

残業が少ない、仕事量が少ない、責任が少ないという環境が、すべての社員にとって理想とは限りません。挑戦したい、成長したい、大きな仕事を任されたい、専門性を身につけたいという人もいます。働きたい会社とは単純に「楽な会社」ではありません。安心して働ける環境があり、その上で成長、挑戦、貢献、達成感を得られる会社です。働きやすさと働きがいのどちらか一方ではなく、両方を設計する必要があります。

4.仲が良ければ良い組織になる

社員同士の関係が良いことは重要ですが、「仲が良い」だけでは良い組織にはなりません。仲が良すぎて注意できない、成果を出していない社員にも厳しいことを言えない、評価が人間関係で決まる、変化を嫌うという状態では、成長意欲の高い社員ほど不満を感じる可能性があります。良い組織とは、互いを尊重しながら必要な意見を言い、共通の目的に向かって協力できる組織です。

5.採用サイトを良くすれば採用力が高まる

採用サイト、採用動画、SNSなどを改善すれば、求職者へ会社の魅力を伝えやすくなります。しかし、「挑戦できる」と書いているのに挑戦できない、「キャリアアップできる」と書いているのに昇格基準がない、「社員を大切にする」と書いているのに現場では長時間労働が続いているのであれば逆効果です。採用広報と会社の実態に差があるほど、入社後の失望は大きくなります。採用力を上げる前に、現在の社員が本当に働き続けたいと思える会社を作ることが先です。

なぜうまくいかないのか

1.どんな人に働いてほしいのか決まっていない

働きたい会社を作るとき、全員に好かれる会社を目指してしまうことがあります。しかし、人によって理想の職場は違います。安定を重視する人、大きな裁量を持ちたい人、高収入を目指したい人、専門性を極めたい人、将来独立したい人など、価値観はさまざまです。そのため、まず会社として「どんな価値観の人と一緒に働きたいのか」を明確にする必要があります。理念や会社の方向性を整理し、それに共感する人から選ばれる会社を目指します。

2.社員から見た会社の魅力を把握していない

経営者が考える会社の魅力と、社員が感じる会社の魅力は一致するとは限りません。経営者は「うちは自由な会社だ」と思っていても、社員は「ルールがなくて判断しにくい」と感じているかもしれません。経営者は「成長機会が多い」と思っていても、社員は「教育されず丸投げされている」と感じているかもしれません。このギャップを放置すると改善の方向を間違えます。社員アンケート、1on1、退職面談などを通じて、続けたい理由と辞めたい理由の両方を把握する必要があります。

3.会社の未来と社員の未来がつながっていない

会社では「年商10億円を目指す」「全国展開する」「新規事業を始める」といった目標を掲げます。しかし社員からすると、それによって自分に何が起きるのかが分からない場合があります。会社が成長したら新しい役職が生まれる、給与水準が上がる、新しい仕事へ挑戦できる、海外事業へ参加できる、マネージャーや事業責任者を目指せる。このように会社の未来と社員の未来をつなげることが重要です。会社だけが成長する話ではなく、「会社と一緒に自分も成長できる」と感じられる状態を作ります。

4.評価基準が曖昧になっている

社員が会社へ不満を持ちやすい場面の一つが評価です。「なぜあの人が昇格したのか」「なぜ自分の給与は上がらないのか」「何を頑張れば評価されるのか」が見えないと、社員は努力の方向を決められません。売上、顧客満足、チームへの貢献、後輩育成、改善提案、理念に沿った行動など、自社が求める成果と行動を役割別に整理します。社員にとって重要なのは、必ず高評価を得られることではありません。なぜその評価なのかを理解でき、次に何をすればよいかが分かることです。

5.成長できる道筋が見えない

入社直後は仕事内容を覚えることが目標になりますが、3年、5年と働けばその先のキャリアが重要になります。このまま同じ仕事を続けるのか、リーダーになれるのか、管理職を目指せるのか、専門職として成長できるのか、新規事業へ参加できるのか。教育とキャリアが設計されていない会社では、成長意欲の高い社員ほど社外に成長機会を求める可能性があります。社員教育は現在の仕事を覚えさせるだけではなく、本人の未来を作る仕組みとして設計する必要があります。

6.経営者や管理職への信用が不足している

どれほど制度を整えても、経営者や上司を信用できなければ働きたい会社にはなりません。約束したことを守らない、方針が突然変わる、説明なく評価する、社員によって態度を変える、失敗すると責任を押し付ける。このような行動が積み重なると、社員は会社の言葉を信じなくなります。経営者と管理職は会社の理念を最初に体現する存在です。会社が掲げている言葉と実際の経営行動を一致させることが、働きたい会社づくりの土台になります。

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放置するとどうなるか

1.採用コストが増え続ける

社員が辞めるたびに新しい社員を採用する必要があり、求人広告、人材紹介、面接、入社手続き、教育などに費用と時間が発生します。採用しても短期間で退職すれば、再び同じ工程を繰り返します。人材不足を採用数だけで解決しようとすると、穴の開いたバケツへ水を入れ続ける状態になりかねません。採用を強化すると同時に、辞めなくてもよい会社を作る必要があります。

2.優秀な社員へ仕事が集中する

社員が定着しなければ、長く働いている社員へ新人教育、重要顧客、難しい案件、トラブル対応などが集中します。その結果、最も辞めてほしくない社員が疲弊します。さらにその社員が退職すれば、ノウハウや顧客関係まで失う可能性があります。社員定着は単なる人事課題ではなく、会社の経営リスク管理でもあります。

3.残った社員の意欲まで低下する

退職者が続けば、残っている社員にも「また辞めたのか」「自分もこの会社にいて大丈夫だろうか」「辞めた人の仕事がまた自分へ回ってくる」といった不安が生まれます。退職者が増えることで職場環境が悪化し、それがさらなる退職につながる悪循環も考えられます。離職者本人だけを見るのではなく、会社全体の構造を確認する必要があります。

4.採用時に条件競争へ巻き込まれる

会社独自の魅力がなければ、求職者から給与、休日、福利厚生、勤務地などだけで比較されます。資金力のある企業との条件競争になれば、中小企業には不利な場合があります。理念、仕事の面白さ、成長機会、社長との距離、裁量、キャリア、顧客や社会への貢献など、自社だから提供できる価値を明確にする必要があります。

5.顧客サービスの品質まで低下する

社員の入れ替わりが多い会社では、十分な教育を受けていない社員が顧客対応を担当する機会も増えます。担当者が頻繁に変わる、顧客情報が引き継がれない、サービス品質に差が出るといった問題が起きれば、人材問題が顧客満足の問題へ広がります。働きたい会社を作ることは社員のためだけではなく、顧客へ安定した価値を提供するためにも必要です。

6.会社の成長が社長の限界で止まる

会社が成長するためには、現在の仕事を任せられる社員、管理職、事業責任者、次世代経営者、新しい事業を作る人が必要です。人が定着せず育たなければ、重要な仕事は社長へ集中し続けます。その結果、会社の成長速度が社長一人の処理能力で決まります。働きたい会社づくりは単なる採用対策ではなく、会社を社長依存から組織経営へ変えるための成長戦略でもあります。

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《解決策》
実践ステップ

1.社長が作りたい会社と社員像を明確にする

最初に「社員にどう思われたいか」ではなく、社長自身がどんな会社を作りたいのかを整理します。どんな人と働きたいのか、社員にどんな人生を送ってほしいのか、どんな組織文化にしたいのか、どんな働き方を実現したいのか、会社が成長したとき社員へどう還元したいのか、どんな会社だけにはしたくないのかまで言語化します。全員に好かれる会社を作る必要はありません。自社の理念や考え方に共感する人が「ここで働きたい」と思う会社を目指します。

2.社員の本音から現在地を把握する

次に、経営者だけで働きたい会社を設計せず、現在働いている社員へ「この会社で働き続けたい理由」「辞めたいと思う瞬間」「会社の良いところ」「改善してほしいところ」「上司への不満」「成長への不安」「将来やってみたいこと」などを聞きます。匿名アンケート、1on1、退職面談など複数の方法を使い、経営者が改善したい課題と社員が本当に感じている課題を一致させます。

3.働きやすさの最低基盤を整える

働きがいを作る前に、安心して働ける環境を整えます。適正な給与、休日、労働時間、安全、必要な設備、業務量、ハラスメント防止、コミュニケーションなどを確認します。会社の理念や夢を語っても、日常業務が過度な負担になっていれば社員は未来を考えられません。まずマイナス要因を取り除き、その上でプラスの魅力を作る順番が重要です。

4.教育とキャリアを設計する

社員が「この会社にいると5年後の自分が今より良くなっている」と感じられる状態を作ります。新人、一般社員、リーダー、管理職、事業責任者、専門職、経営幹部などの役割を整理し、どの能力を身につければ次へ進めるのか、どんな研修や経験が必要なのか、どんな仕事を任せてもらえるのかを明確にします。働きたい会社とは現在の居心地が良いだけではなく、未来の自分にも期待できる会社です。

5.評価と還元の仕組みを透明にする

次に「頑張った結果がどうなるのか」を明確にします。何を評価するのか、誰が評価するのか、どのように昇格するのか、給与はどう変わるのか、会社が成長したとき社員へどう還元するのかを整理します。売上だけでなく、理念行動、顧客満足、チーム貢献、後輩育成、改善、挑戦なども役割に応じて評価します。全員を高く評価することが目的ではなく、努力と成果が正しく見られているという納得感を作ることが重要です。

6.会社の実態を採用へ発信する

会社内部を整えたら、社員インタビュー、1日の仕事、教育制度、キャリアパス、評価制度、理念、会社の未来、実際に活躍している社員などを採用サイトやSNSで発信します。良いところだけではなく、仕事の難しさや「どんな人には合い、どんな人には合わないのか」まで伝えることで入社後のミスマッチを減らします。採用広報は会社を良く見せる広告ではなく、会社の実態を正しく伝え、自社に合う人と出会うための仕組みです。

7.一般的解決策との違い

一般的な働きたい会社づくりでは、給与アップ、福利厚生、オフィス改善、1on1、社内イベント、採用ブランディングなど個別施策が中心になりがちです。しかし、給与を上げても評価に納得できなければ不満は残り、福利厚生を充実させても将来が見えなければ成長意欲の高い社員は離れる可能性があります。1on1を導入しても管理職が社員の話を聞けなければ形骸化し、採用サイトを魅力的にしても実際の会社とのギャップがあれば定着しません。本質的な働きたい会社づくりでは、社長の理想、理念、働き方、教育、評価、キャリア、管理、採用を一つにつなげます。


働きたい会社を作るには、「理想の会社像を決める」「社員の本音を知る」「働きやすさを整える」「教育とキャリアを作る」「評価と還元を明確にする」「会社の実態を採用へ発信する」という6つのステップが重要です。採用力だけを上げるのではなく、入社、教育、成長、評価、活躍、定着まで一つの流れとして設計します。求職者が入りたい会社から、社員が働き続けたい会社へ変えることで、人材採用と人材定着を同時に改善していきます。

5方良し経営で再設計

働きたい会社づくりを「社員だけが満足する会社」にしてはいけません。待遇だけを良くして会社に利益が残らなければ継続できず、会社の利益だけを追って社員を疲弊させても人は定着しません。会社、従業員、顧客、世間、次世代の5つが良くなる経営構造へ再設計することが重要です。

1.《会社良し》
人が集まり成長する会社へ

会社良しでは、働きたい会社づくりを採用コストではなく成長投資として考えます。人が定着すれば毎年ゼロから大量採用を繰り返す負担を減らせ、経験やノウハウも会社へ蓄積されます。さらに理念へ共感する人材を採用し、教育、評価、キャリアを整えることで、社員が増えても会社の価値観やサービス品質を維持できる組織を作ります。人材不足をその場の採用活動だけで解決するのではなく、人が集まり、育ち、定着すること自体を会社の競争力へ変えていきます。

2.《従業員良し》
会社と一緒に人生も良くなる環境へ

従業員良しでは、「会社のために頑張ってほしい」という一方通行の関係から離れます。社員が会社へ時間と能力を提供する一方で、会社も給与、成長、経験、キャリア、働きやすさを提供します。会社が成長するほど新しい役職や仕事が生まれ、社員の選択肢も広がる状態を作ります。現在の職場環境だけではなく、「この会社にいることで自分の未来も良くなる」と社員が感じられる経営を目指します。

3.《顧客良し》
社員が誇りを持って勧められる会社へ

社員が自社の商品やサービスに疑問を持っている会社では、本当の意味で働きがいを感じることは難しくなります。無理な営業をさせない、顧客へ不利益な商品を売らない、クレームを現場だけに押し付けない、顧客から感謝された声を社員へ共有するなど、社員自身が「この商品はお客様へ勧めたい」「自分たちの仕事には価値がある」と感じられる商品とサービスを作ります。社員満足と顧客満足を別々に考えず、社員が良い仕事をするほど顧客にも価値が届く構造にします。

4.《世間良し》
家族や知人にも勧められる会社へ

本当に働きたい会社かどうかを見る一つの基準が、「自分の家族や知人にも働くことを勧められるか」です。法令を守る、取引先へ無理な条件を押し付けない、顧客へ誠実に対応する、地域や業界へ価値を提供するなど、社員、顧客、取引先、地域から見ても誠実な企業活動を行います。社員が会社名を人へ伝えることを誇れる状態を作ることは、企業ブランドだけでなく採用力や社員の働きがいにもつながります。

5.《次世代良し》
次のリーダーが育つ会社へ

次世代良しでは、現在の社員を働かせるだけではなく、次の経営者、事業責任者、管理職を育てます。社長や一部のベテランだけが判断する会社では社員に十分な成長機会が生まれません。小さな仕事から責任を渡し、チーム、予算、事業へと任せる範囲を広げます。理念や判断基準も教育し、経営者が変わっても会社らしさが受け継がれる状態を作ります。「ここで働けば将来経営にも関われる」「新しい事業を任せてもらえる」と思える会社になれば、社員の長期的なキャリアの選択肢も広がります。


5方良し経営で働きたい会社を考えると、福利厚生を充実させるだけの施策ではなくなります。会社には採用力と組織力、従業員には働きやすさと成長、顧客にはより良い商品とサービス、世間には誠実な企業活動、次世代には成長機会と経営基盤を残します。会社が利益を出すから社員へ投資できる。社員が成長するから顧客へより高い価値を提供できる。顧客から支持されるから会社がさらに成長する。その利益を社員や社会、次世代へ再投資する。この循環によって、会社と社員が一緒に良くなっていく経営へ変えていきます。


「求人を出しても応募が来ない」「採用できてもすぐ辞めてしまう」「社員にもっと会社を好きになってほしい」「優秀な社員が長く働きたいと思える会社を作りたい」「会社が成長しても人材不足が続いている」。このような悩みがある場合、一度、社長の分身にご相談ください。年商1~100億まで対応。どんな悩みも無料で相談できます。

働きたい会社を作るとき、最初から求人媒体や採用サイトの改善だけを考えることはしません。まず社長の本音を出します。どんな会社を作りたいのか、どんな人と一緒に働きたいのか、社員にどんな人生を送ってほしいのか、会社が成長したら社員へどのように還元したいのか、社長自身はどんな組織なら経営していて楽しいのか。ここから理想の会社像を整理します。

次に経営の原理原則から現在の会社を確認します。理念では社員が共感できる目的があるのか、評価では頑張った人が正しく評価されているか、教育では社員が成長できる仕組みがあるか、採用では会社に合った人を採用できているか、管理では無理なく仕事を続けられる環境になっているかを整理します。さらに商品、営業、接客、実務についても確認し、社員自身が自社の商品を好きなのか、顧客へ誇りを持って提案できるのか、無理な営業を求めていないか、実務に無駄や負担が集中していないか、社員が自分の仕事は顧客の役に立っていると実感できているかまで見ていきます。

このように会社全体を整理すると、「採用できない」「社員が辞める」という表面の問題の裏にある本当の原因が見えてきます。採用できない原因が求人広告ではなく会社の魅力が言語化されていないことかもしれません。離職の原因が給与ではなく評価への不満かもしれません。管理職が育たない原因が本人の能力ではなく、仕事を任せていないことかもしれません。

そして課題が見えたら、社内だけで解決できるものと外部の力を借りるものを分けます。評価制度、採用、教育、組織開発、WEB、採用広報、業務改善、AIやシステムなど、必要な専門家や実務担当者を組み合わせ、丸投げできるチーム設計まで整理します。社長一人が採用、教育、評価、組織改善の専門家になる必要はありません。社長が決めるべきなのは「どんな会社を作りたいのか」です。その理想を実現できる仕組みと人を整えます。

目指すのは、条件を良くし続けなければ人が集まらない会社ではありません。現在働いている社員が「この会社で働き続けたい」と思い、その社員が知人へ「うちの会社で一緒に働かないか」と言える会社です。そこまで会社そのものを整えることが、長期的な採用力と組織力につながります。

まとめ

働きたい会社を作るために重要なのは、給与や福利厚生を増やすことだけではありません。働きやすさに加えて、「この会社で働く意味」「成長できる未来」「納得できる評価」「信頼できる経営者や上司」「誇れる商品や仕事」が必要です。まず社長自身がどんな会社を作りたいのかを明確にし、そのうえで社員の本音を確認します。働き続けたい理由、辞めたいと思う瞬間、成長への不安、挑戦したい仕事などを把握することで、本当に改善すべき課題が見えてきます。

次に、適正な給与、休日、労働時間、業務量など安心して働ける環境を整え、その上に教育、キャリア、評価の仕組みを作ります。会社の成長と社員の未来をつなげ、「この会社にいることで自分も成長できる」と感じられる状態を作ることが重要です。また、会社内部を整えたうえで、その実態を採用サイトやSNSへ発信し、自社の考え方や働き方に合う人と出会える採用へ変えていきます。

そして、働きたい会社づくりは社員だけを良くする取り組みではありません。会社に利益が残るから社員へ投資でき、社員が成長するから顧客へより高い価値を提供でき、顧客から支持されることで会社がさらに成長します。その利益を社員、社会、次世代へ再投資する循環を作ることが重要です。

働きたい会社とは、待遇だけで人を引き留める会社ではありません。社員が「ここで働くことで、自分も顧客も会社も未来も良くなっていく」と感じられる会社です。人を採り続ける経営から、人が集まり、育ち、長く働きたいと思える経営へ変えることが、これからの会社成長における重要な土台になります。

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この記事を書いた人

テクノロジー時代だからこそ、5方良し(会社、顧客、従業員、世間、次世代良し)の経営思考が重要になると考え、広めていくために役に立つコンテンツを投稿し、セミナーを実施しております。

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