経営戦略を作ってもなぜ進まない?
『経営戦略 実行できない』を徹底解説!

「経営戦略は作ったのに、半年たってもほとんど進んでいない」「経営会議では毎回いろいろな施策が決まるが、翌月確認すると手が付いていない」「新規事業を始めると決めたのに、既存事業が忙しくなると後回しになる」「幹部へ任せたはずなのに、結局社長が進捗を確認しないと動かない」「コンサルタントから提案を受けても、実行する人がいない」。会社を成長させようとすると、このような問題が起こることがあります。

経営者からすると、「やることは決まっているのだから、あとは実行すればいい」と感じるかもしれません。しかし、実際の経営では戦略を考えることと、それを組織として実行することは別の問題です。

例えば、「新規顧客を増やす」という戦略を決めたとします。しかし、それだけでは会社は動きません。

どの顧客を狙うのか。どの商品を売るのか。価格はいくらにするのか。誰が営業するのか。WEBサイトは変更するのか。広告を出すのか。営業資料は誰が作るのか。問い合わせ後は誰が対応するのか。何件問い合わせがあれば成功なのか。いつまでに結果を出すのか。

戦略を実行するためには、このような具体的な仕事へ分解する必要があります。

さらに問題なのは、それぞれの仕事が別々の部署へまたがることです。営業部だけでは完結せず、マーケティング、商品開発、WEB、人事、経理など複数の担当者が関係することがあります。外部のWEB会社、広告会社、コンサルタントなどが加われば、さらに調整する対象が増えます。

そこで責任者が曖昧なままだと、「誰かが進めていると思っていた」という状態が起こります。

そして最終的に社長が気付きます。

「この件、どうなっている?」

ここから社長自身が状況を確認し、担当者へ連絡し、会議を設定し、外注先へ確認し、遅れている原因を調べることになります。つまり、戦略を社員へ任せたつもりでも、実際には戦略を推進する役割だけが社長へ残っているのです。

これは社員のやる気だけの問題ではありません。

会社には既存業務があります。営業担当者には今月の売上目標があり、管理部門には毎月の締め作業があり、人事には採用活動があります。そこへ新しい経営戦略が追加されても、既存業務を減らさなければ仕事が増えるだけです。

期限が迫っている仕事と、半年後の会社を作る仕事が並べば、多くの場合は目の前の仕事が優先されます。

その結果、経営戦略だけが後回しになります。

経営戦略が実行できない会社の問題は、戦略がないことではなく、戦略を実行する仕組みがないことにあります。

戦略を実行するには、経営方針から具体的な施策へ落とし込み、担当者を決め、期限を決め、必要な予算と権限を渡し、KPIを設定し、進捗を確認し、問題があれば修正するという一連の仕組みが必要です。

さらに、誰かが全体を見なければなりません。

複数部署にまたがる戦略であれば、営業部は営業部分を進め、WEB担当者はWEB部分を進め、人事は必要な人材を採用します。しかし、それぞれが自分の仕事だけを見ていても、会社全体の戦略が予定通り進んでいるとは限りません。

社長がこの役割をすべて担えば、戦略は進むかもしれません。しかし、それでは会社が成長するほど社長の仕事も増えます。

本来目指すべきなのは、社長が戦略を決め、組織と仕組みが戦略を実行する会社です。

そのためには、「社員へもっと主体的に動いてもらう」といった精神論だけでは不十分です。経営戦略、実行計画、責任者、権限、KPI、会議、進捗管理、評価までをつなげる必要があります。

この記事では、経営戦略を作っても実行できない会社によくある誤解から、戦略が止まる構造的な原因、その状態を放置した場合のリスク、戦略を確実に実行へ移すための具体的なステップまで詳しく解説します。

さらに5方良し経営の視点から、会社だけが利益を得る戦略ではなく、従業員、顧客、世間、次世代まで含めて継続的に実行できる経営戦略へ再設計する方法も紹介します。

戦略を作れる会社から、戦略を実行できる会社へ変えること。

そのために必要なのは、さらに立派な経営計画書を作ることではありません。決めたことが具体的な仕事へ変わり、担当者が動き、結果が確認され、改善されるところまでを経営の仕組みにすることです。

目次

よくある誤解

1.良い経営戦略を作れば自然に実行される

最も多い誤解の一つが、経営戦略そのものの完成度を高めれば、社員が自然に動いてくれるという考え方です。

市場分析を行い、競合を調べ、事業計画を作り、売上目標を設定する。経営者からすると十分に考えた戦略なので、「これだけ明確なら実行できるだろう」と考えます。

しかし、社員から見れば状況は異なります。

例えば「既存顧客のLTVを高める」という戦略があっても、営業担当者が明日から何をすればいいのかは分かりません。新しい商品を提案するのか、契約後のフォローを増やすのか、紹介制度を作るのか、価格体系を変更するのかによって仕事はまったく異なります。

戦略は方向を決めるものであり、それだけでは実行計画にはなりません。

戦略を実行するには、具体的な施策、担当者、期限、KPIまで落とし込む必要があります。

2.社員へ説明すれば動いてくれる

経営方針発表会や全社会議で戦略を説明したことで、「社員にも伝わった」と考えてしまうケースがあります。

しかし、「理解したこと」と「実行できること」は別です。

社員が戦略の目的を理解していても、自分が何をするのか、どの仕事を優先するのか、どこまで判断してよいのかが分からなければ動けません。また、新しい仕事が追加されたにもかかわらず既存業務がそのままなら、社員は日々の業務を優先します。

必要なのは説明回数を増やすことだけではありません。

会社の戦略を、各部署と一人ひとりの具体的な行動までつなげることが必要です。

3.KPIを設定すれば実行できる

売上、商談数、問い合わせ数、採用人数などのKPIを設定すれば、実行管理ができると考えることもあります。

もちろんKPIは重要です。しかし、数字だけを設定しても、数字を動かす具体的な行動が定義されていなければ意味がありません。

例えば問い合わせ100件というKPIだけを設定しても、SEOを強化するのか、広告を出すのか、紹介を増やすのか、展示会へ出るのかが決まっていなければ実行できません。

また、数字が未達だった時に「もっと頑張ろう」で終われば改善も進みません。

KPIは社員を管理するための数字ではなく、戦略が予定通り進んでいるかを早い段階で発見するための経営指標として設計する必要があります。

4.経営会議を増やせば進捗が良くなる

戦略が進まないと会議を増やしたくなります。しかし、会議の回数を増やすだけでは実行力は上がりません。

毎週集まって状況報告をし、問題点を話し合い、「引き続き進めます」で終了する。この状態では、会議に時間を使っているだけです。

経営会議で重要なのは、報告より意思決定です。

現在どこまで進んでいるのか。何が遅れているのか。なぜ遅れているのか。何を変更するのか。誰がいつまでに行うのか。

ここまで決める必要があります。

会議の目的は進捗を聞くことではなく、戦略を前へ進めることです。

5.実行できないのは社員の意識が低いから

戦略が進まない時に「社員が受け身だから」「もっと経営者意識を持ってほしい」と考えることがあります。

しかし、担当者が不明確で、権限もなく、期限も曖昧で、通常業務を減らしてもらえず、評価にも反映されない状況であれば、社員個人の意識だけで戦略を実行するのは難しくなります。

社員の主体性を求める前に、会社側が実行できる環境を作れているかを見る必要があります。

人の問題に見えて、実際には仕事の設計や管理の問題であるケースは少なくありません。

6.外部コンサルタントへ依頼すれば実行まで解決する

外部の専門家へ依頼することで、戦略の質を高めることはできます。しかし、提案を受けることと実行されることは別です。

優れた提案書が完成しても、社内の責任者が決まっていなければ進みません。また、WEB会社、採用会社、広告会社、コンサルタントなど複数の外部企業を使えば、それぞれを調整する仕事も発生します。

最終的に社長が全員と打ち合わせをし、進捗確認をしているのであれば、外部活用によって社長の仕事が増えている可能性もあります。

必要なのは外部へ丸投げすることではなく、社内と社外を一つの実行チームとして設計することです。

なぜうまくいかないのか

1.戦略が具体的な実行計画まで分解されていない

経営戦略が実行できない会社では、「売上を伸ばす」「新規事業を立ち上げる」「採用を強化する」「DXを進める」といった大きなテーマで止まっていることがあります。

しかし、実際に社員が動くためには、その下に具体的な仕事が必要です。

例えば新規事業であれば、市場調査、ターゲット設定、商品設計、価格設定、テスト販売、営業資料作成、WEBページ制作、営業活動、顧客ヒアリング、改善などへ分解できます。

さらに、それぞれに担当者と期限を設定します。

戦略から施策へ、施策から具体的な仕事へ分解されて初めて実行が始まります。

2.誰が最後まで進めるのか決まっていない

複数部署にまたがる戦略ほど、責任の所在が曖昧になります。

営業部は営業だけ、マーケティング担当は集客だけ、WEB会社はサイト制作だけを担当します。それぞれが自分の範囲を担当していても、全体をつないでゴールまで進める人がいなければプロジェクトは止まります。

「担当者がいる」ことと「実行責任者がいる」ことは違います。

戦略ごとに、全体の進捗を確認し、問題を発見し、関係者を動かし、必要であれば経営陣へ判断を求める責任者を置く必要があります。

3.既存業務と戦略業務の優先順位が整理されていない

社員へ新しい戦略を任せても、既存業務が減るとは限りません。

営業担当者には顧客対応があり、管理部門には毎月の業務があり、責任者には部下の管理があります。そこへ新規事業や業務改善プロジェクトが追加されれば、単純に仕事量が増えます。

その結果、期限の近い既存業務が優先され、経営戦略は「時間がある時に進める仕事」になります。

戦略を本当に実行するのであれば、何を増やすかだけではなく、何をやめるか、何を減らすか、何を他の人へ移すかまで決める必要があります。

4.権限と経営資源が渡されていない

責任者を決めても、すべて社長の承認が必要であれば実行速度は上がりません。

予算を使うたびに確認する。外注先を決めるたびに確認する。価格変更も確認する。採用も確認する。この状態では責任者という名前が付いていても、実際には社長がプロジェクト責任者です。

戦略を任せるのであれば、責任と一緒に必要な権限、予算、人員、情報を渡す必要があります。

どこまで自分で決められるのか。どの条件になったら経営陣へ確認するのか。この境界線を明確にすることで意思決定が速くなります。

5.進捗管理が報告会になっている

戦略を実行するには定期的な進捗確認が必要ですが、会議が単なる報告会になると実行力は高まりません。

「現在ここまで進んでいます」「少し遅れています」「来月までに対応します」という報告だけでは、遅れている原因が解決されないからです。

見るべきなのは、結果だけではありません。

どこで止まっているのか。何が障害なのか。意思決定が必要なのか。人が足りないのか。予算が足りないのか。そもそも仮説が間違っているのか。

進捗管理とは遅れを確認することではなく、遅れの原因を取り除くことです。

6.最終的な推進役が社長になっている

会社に実行管理の仕組みがなければ、最後は社長が動くことになります。

社長が担当者へ確認し、会議を設定し、外部会社へ連絡し、数字を確認し、遅れていれば指示を出す。これを繰り返せば、戦略は進むかもしれません。

しかし会社が成長し、戦略テーマが5個、10個と増えれば、社長一人では管理できなくなります。

経営戦略が実行できない本質的な問題は、戦略の内容だけではありません。戦略を実行まで運ぶ経営機能が社長個人に依存していることです。


経営戦略が実行できない背景には、戦略の具体化不足、実行責任者の不在、既存業務との競合、権限不足、進捗管理の形骸化、社長への推進機能の集中があります。

一つひとつは別の問題に見えますが、共通しているのは「戦略から実行までをつなぐ仕組み」が不足していることです。経営戦略を実行できる会社へ変えるには、戦略そのものを見直すだけでなく、会社の実行構造を再設計する必要があります。

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放置するとどうなるか

1.経営戦略そのものが形骸化する

戦略を作っても実行されない状態が続くと、社員は徐々に「今回もそのうちなくなるだろう」と考えるようになります。

新しい方針が発表されても本気で受け止めず、経営会議で決まったことにも優先的に取り組まなくなります。

問題は一つの戦略が失敗することだけではありません。

経営陣が決めたことに対する組織の信頼が失われることの方が大きな問題です。

2.重要な課題ほど先送りされる

既存業務には締切がありますが、経営課題には明確な締切がないものもあります。

新規事業、組織改革、幹部育成、DX、商品開発、事業承継などは、今日実行しなくても明日の業務が止まるわけではありません。そのため後回しになりやすくなります。

しかし、半年、一年と放置すれば競合との差が広がります。

目の前では会社が回っていても、未来の成長準備が止まっている状態になります。

3.社長の仕事が増え続ける

戦略が自然に進まなければ、社長自身が管理するしかありません。

社員が増え、事業が増え、外部パートナーが増えるほど確認する対象も増えます。会社を成長させるために新しい施策を始めたはずなのに、それによって社長の仕事が増えていきます。

結果として、社長は経営戦略を考える人ではなく、進捗確認をする人になってしまいます。

会社が成長するほど社長が忙しくなる構造は、どこかで限界を迎えます。

4.社員の主体性と責任感が弱くなる

決めたことが実行されなくても責任の所在が曖昧な状態が続けば、社員側にも「最後は社長が何とかする」という意識が生まれます。

逆に、社員が進めようとしても細かな判断をすべて社長へ確認しなければならない会社では、自分で考える機会が減ります。

その結果、社長は「社員が自分で考えない」と感じ、社員は「どうせ最後は社長が決める」と感じる悪循環が生まれます。

5.成長機会を逃し続ける

市場の変化、新しい技術、新規顧客、業務提携などにはタイミングがあります。

良い戦略であっても、実行まで一年かかれば競合企業が先に市場へ参入している可能性があります。

特にAIやデジタル技術など変化の速い領域では、完璧な戦略を時間をかけて作ること以上に、一定の仮説で実行し、結果を見ながら修正することが重要になる場面があります。

実行速度そのものが競争力になる経営環境では、実行できないこと自体が大きな経営リスクになります。

6.会社の未来を作る時間がなくなる

最も深刻なのは、現在の戦略を進めるために社長が時間を使い続け、次の戦略を考える時間がなくなることです。

本来、社長は会社の未来を考え、新しい事業機会を探し、重要な人材を育て、経営資源をどこへ投資するか判断する必要があります。

しかし、過去に決めた施策の進捗確認だけで一日が終われば、未来を作る仕事が後回しになります。

現在の会社を動かすために、未来の会社を考える時間が失われている状態です。


経営戦略を実行できない状態を放置すると、単に計画が遅れるだけではありません。戦略が形骸化し、重要課題が先送りされ、社長の仕事が増え、社員の主体性が弱まり、成長機会を逃します。

そして最終的には、会社の未来を考えるべき社長が、現在の会社を動かすための管理者になってしまいます。

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実践ステップ

1.経営戦略を具体的な施策へ分解する

最初に行うのは、経営戦略を実行可能な大きさまで分解することです。

例えば「売上を伸ばす」だけではなく、「既存顧客単価を上げる」「新規顧客を増やす」「新商品を作る」と分けます。さらに新規顧客を増やすのであれば、ターゲット設定、商品設計、営業資料、WEBページ、広告、紹介施策などへ分解します。

ここまで落とし込むことで初めて、「何をすればいいのか」が見えるようになります。

戦略を実行する第一歩は、大きな方針を具体的な仕事へ翻訳することです。

2.責任者、期限、成果を明確にする

各施策について、誰が責任者なのか、いつまでに何を完成させるのかを決めます。

「営業部で進める」のような部署単位だけではなく、最終的に誰が責任を持つのかまで明確にします。

また、期限だけでなく完了条件も設定します。「新商品を検討する」ではなく、「○月までに商品内容、価格、営業資料を完成させ、テスト販売を開始する」といった状態です。

担当者、期限、完了条件が明確になることで、実行管理がしやすくなります。

3.KPIと行動をつなげる

最終的な売上だけを見ていると、問題を発見した時には手遅れになっている場合があります。

そのため、売上へ至る途中の数字も確認します。

問い合わせ数、商談数、提案数、成約率、顧客単価などを分解し、どこを改善すれば結果が変わるのかを見えるようにします。

さらにKPIと具体的な行動をつなげます。

数字だけを管理するのではなく、どの行動がどの数字を変えるのかまで設計することが重要です。

4.責任と一緒に権限と経営資源を渡す

戦略責任者を決めたら、必要な権限も渡します。

予算、人員、外注利用、価格変更など、何を自分で判断できるのかを決めます。

すべての判断を社長へ戻すと、実行責任者を置いた意味がありません。

もちろん重大な投資や会社全体へ影響する判断は経営陣が行います。しかし、通常の実行判断まで社長が抱える必要はありません。

責任と権限をセットにすることで、実行速度を高めます。

5.経営会議を意思決定と障害除去の場へ変える

経営会議では、すべての情報を細かく報告するのではなく、戦略実行に必要な論点へ集中します。

予定通りなのか。遅れているのか。何が障害なのか。何を決める必要があるのか。誰がいつまでに対応するのか。

この流れを統一します。

順調な施策について長時間説明する必要はありません。経営陣が時間を使うべきなのは、判断が必要な問題です。

経営会議を報告の場から、戦略を前進させる場へ変えることが重要です。

6.社内外を一つの実行チームとして設計する

すべてを社員だけで実行する必要はありません。

戦略によっては、WEB会社、広告会社、税理士、社労士、弁護士、採用会社、システム会社、コンサルタントなどの専門家を活用した方が速い場合があります。

ただし、外部企業を増やすだけでは社長の管理対象が増えてしまいます。

そこで、社内担当者と外部専門家を一つのチームとして整理し、誰が全体を管理し、誰がどこを担当するのかを明確にします。

社員、AI、システム、専門家、外部企業を組み合わせ、戦略ごとに最適な実行体制を作ることが重要です。

7.一般的解決策との違い

一般的な戦略実行では、KPI設定、PDCA、会議改善、目標管理などが中心になります。これらは重要ですが、一つひとつ導入するだけでは十分ではありません。

本当に必要なのは、戦略、施策、担当者、期限、権限、KPI、会議、評価、外部パートナーまでを一つにつなげることです。

さらに、社長が毎回指示しなくても進む状態を作らなければ、会社が成長するたびに社長の管理負担も増えてしまいます。

目指すのは、社長が頑張ることで戦略を実行する会社ではなく、実行する仕組みそのものを持った会社です。


経営戦略を実行するには、戦略を具体的な施策へ分解し、責任者、期限、完了条件を決め、KPIと行動をつなげる必要があります。さらに、責任者へ必要な権限と経営資源を渡し、経営会議では実行を妨げる障害を取り除きます。

その上で、社内だけで不足する機能は外部専門家やAIなどを活用します。

戦略策定から実行、確認、改善までが一つの経営システムとして回る状態を作ることが、経営戦略を実行できる会社への転換点です。

5方良し経営で再設計

1.《会社良し》
戦略を利益と持続的成長につなげる

経営戦略は作ることが目的ではありません。会社が目指す未来を実現するためのものです。

そのため、売上だけでなく、利益、キャッシュ、組織能力、将来性まで考えて戦略を設計する必要があります。

売上が増えても利益が残らない戦略や、社長と社員の負担が増え続ける戦略では持続できません。

会社良しでは、会社そのものが長期的に強くなるかという視点から戦略を判断します。

商品、営業、組織、人材、財務などをつなげ、実行した結果として会社の経営基盤が強くなる戦略を目指します。

2.《従業員良し》
戦略実行を社員の成長機会にする

戦略を実行する際、社員を単なる作業担当者にしないことが重要です。

目的を伝え、一定の権限を渡し、自分で考えて実行する機会を作ります。

新規事業や業務改善などのプロジェクトは、次世代の責任者を育てる機会にもなります。

結果だけではなく、どのように考え、周囲を巻き込み、問題を解決したのかまで評価することで、戦略実行と人材育成を両立できます。

会社の戦略が進むほど社員も成長する仕組みを作ることが従業員良しにつながります。

3.《顧客良し》
経営都合ではなく顧客価値から戦略を考える

売上目標だけから戦略を作ると、会社が売りたい商品を売ることが目的になりやすくなります。

しかし、本来の商品やサービスは顧客の問題を解決するためにあります。

新商品を作る場合も、価格を変更する場合も、DXを進める場合も、「お客様にとって何が良くなるのか」を確認する必要があります。

顧客満足、継続率、紹介、顧客の声なども確認しながら戦略を改善します。

顧客価値が高まることで会社の利益も増える構造を作ることが、長期的な成長につながります。

4.《世間良し》
社会や取引先との関係まで考える

会社は単独で存在しているわけではありません。

取引先、外部パートナー、地域、業界など多くの関係者とつながっています。

短期的な自社利益だけを優先する戦略では、取引先へ過度な負担を求めたり、長期的な信頼を失ったりする可能性があります。

自社が成長することで、取引先にも新しい仕事が生まれる。顧客の課題が解決されることで社会にも良い影響が生まれる。このような関係を作ることが重要です。

戦略を「自社が勝つ方法」だけではなく、自社が成長することで周囲にも価値が広がる方法として考えます。

5.《次世代良し》
戦略を実行できる会社を未来へ残す

社長本人が優秀であることと、会社が強いことは同じではありません。

社長がいなければ戦略を決められず、実行もできない会社では、事業承継の際に大きな問題が生まれます。

戦略策定の考え方、意思決定基準、KPI、会議方法、実行管理などを会社の仕組みとして残すことで、次の経営者や幹部も経営を進めやすくなります。

社長の経験や感覚だけに依存せず、経営の原理原則を次世代へ引き継ぎます。

次世代良しとは、現在の利益だけでなく、次の経営者が成長させられる会社を残すことです。


5方良し経営で戦略を考えると、単純な売上拡大だけがゴールではなくなります。

会社の利益と成長につながり、従業員が成長し、顧客への価値が高まり、取引先や社会にも良い影響が生まれ、その仕組みが次世代へ残る。この五つをつなげて考えます。

経営戦略の本当の価値は、計画書の完成度ではなく、実行された結果として会社と周囲にどのような未来を作れるかで決まります。


経営戦略が実行できない時、「もっと良い戦略を作らなければ」と考える必要はありません。

すでに社長の頭の中には、やりたいことが見えている場合があります。

問題は、その考えを具体的な施策へ変換し、誰が、何を、いつまでに行うのかを整理し、実際に進める経営機能が不足していることです。

そこで「社長の分身」では、最初に社長の本音を整理します。

どんな会社を作りたいのか。何を実現したいのか。何を大切にしたいのか。どこまで成長させたいのか。社長自身は将来どの仕事をしていたいのか。

表面的な経営課題だけではなく、社長が本当に実現したい理想を明確にします。

次に、その理想と現在の会社との差を整理します。

商品なのか、営業なのか、集客なのか、採用なのか、教育なのか、評価なのか、管理なのか。何が成長を止めているのかを整理し、優先順位を決めます。

そして、原理原則に沿って具体的な施策へ落とし込みます。

重要なのは、提案して終わらないことです。

誰が実行するのか。社内に適任者がいるのか。外部の専門家が必要なのか。AIやシステムで代替できるのか。誰が全体を管理するのか。

ここまで整理して、社員、AI、専門家、外部パートナーを組み合わせた丸投げチーム設計へつなげます。

社長自身がWEB会社、採用会社、税理士、コンサルタントなどを一社ずつ管理するのではなく、経営課題ごとに必要な人と機能を組み合わせ、会社として実行できる体制を作っていきます。

目指すのは、社長がさらに頑張ることではありません。

現在の会社を人と仕組みが動かし、社長は会社の未来、重要な意思決定、新しい事業、重要な人との関係づくりなど、社長にしかできない仕事へ時間を使える状態を作ることです。

一度、社長の分身にご相談ください。年商1~100億まで対応。どんな悩みも無料で相談できます。

社長の本音を出し、理想を明確にし、経営の原理原則からやるべきことを整理し、実行するための丸投げチーム設計まで一緒に整理します。

まとめ

経営戦略を実行できない原因を、社員のやる気や社長のリーダーシップだけに求めても根本的な解決にはなりません。

戦略を作っただけでは会社は動かないからです。

経営戦略を具体的な施策へ分解し、責任者を決め、期限と完了条件を設定し、KPIを設計し、必要な権限と経営資源を渡す。そして定期的に進捗を確認し、止まっている原因を取り除く必要があります。

特に重要なのは、誰が戦略を最後まで実行へ運ぶのかを明確にすることです。

営業、商品、WEB、採用、組織など複数領域にまたがる戦略では、それぞれに担当者がいても全体を管理する人がいなければ進みません。

その役割を毎回社長が担っていれば、会社が成長するほど社長の仕事も増えていきます。

だからこそ、戦略実行を個人の頑張りではなく会社の仕組みに変える必要があります。

戦略、施策、責任者、権限、KPI、会議、評価、社内人材、AI、外部専門家を一つにつなげ、決めたことが実行される構造を作ります。

5方良し経営の視点では、その戦略が会社の利益だけでなく、従業員の成長、顧客への価値、社会や取引先との関係、次世代へ残す会社づくりにつながっているかまで考えます。

経営戦略で重要なのは、何を考えたかではなく、何を実行し、会社がどう変わったかです。

社長がすべてを動かす会社から、社長が方向を決めれば組織と仕組みが動く会社へ変える。その経営体制を作ることが、戦略を実行できる会社への第一歩です。

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この記事を書いた人

テクノロジー時代だからこそ、5方良し(会社、顧客、従業員、世間、次世代良し)の経営思考が重要になると考え、広めていくために役に立つコンテンツを投稿し、セミナーを実施しております。

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