
「売上は前年より増えているのに利益が残らない」「毎月忙しく働いているのに、銀行口座を見ると余裕がない」「新しい社員を採用すると売上は増えるが、人件費も増えて利益率が下がる」「広告費を増やして売上を作っているが、広告を止めるのが怖い」「大きな案件を取ったのに、終わってみるとほとんど利益が残っていない」。このような状態に心当たりがある経営者は少なくないでしょう。会社経営では売上が分かりやすい指標であるため、「利益が少ないなら、もっと売上を増やそう」と考えがちです。
しかし、売上100万円を増やすために90万円の費用が必要なら、会社へ残る利益は10万円です。反対に、既存顧客への追加提案や業務改善によって、追加コストを抑えながら30万円の利益を増やせることもあります。重要なのは、売上の大きさだけではなく、どのような構造で利益を生み出しているかです。
利益体質とは、一時的に利益が出ている状態とは異なります。景気が良かった、大口案件が入った、経費を一時的に削減した、偶然高利益の商品が売れたという理由で利益が増えても、それを毎年再現できなければ強い利益体質とは言いにくいでしょう。利益体質とは、単に利益率が高いことではなく、商品、価格、顧客、営業、実務、生産性、継続収益などがつながり、中長期的に利益を残し続けられる経営構造を持っている状態と考えることができます。
つまり、利益体質の会社とは、社長や社員が無理をして利益を作る会社ではありません。適切な顧客へ適切な商品を適正価格で販売し、効率よく価値を提供し、継続や紹介が生まれ、必要なコストを使ったうえでも利益が残る会社です。そして、その利益を人材、商品、設備、AI、DX、新規事業などへ再投資し、さらに収益力を高めていきます。
企業が長く成長していくためには、利益を残すだけでなく、その利益を次の成長へ再投資することが重要です。利益を社員教育へ投資すれば人材の能力が高まり、商品開発へ投資すれば顧客へ提供できる価値が高まり、AIやDXへ投資すれば生産性を高めることができます。さらに、企業が生み出す付加価値を増やし、収益拡大から賃金の引上げや次の投資へつなげる好循環を作ることも重要です。
ここから分かるのは、利益を残すことは単に社長の取り分を増やすことではないということです。利益があるから社員へ還元でき、教育や採用へ投資でき、より良い商品を開発でき、顧客サービスを改善でき、不況やトラブルにも備えられます。そして次の事業へ挑戦できます。
この記事では、「利益体質とは何か」という基本から、よくある誤解、利益が残らない構造、低利益体質を放置した場合のリスク、そして会社そのものを利益体質へ変える6つの実践ステップまで詳しく解説します。
よくある誤解
1.利益体質とは営業利益率が高い会社のことである
営業利益率は非常に重要な指標です。しかし、一時点の営業利益率が高いだけで強い利益体質とは限りません。例えば大きな経費削減を行ったことで今年だけ利益率が上がっている場合や、高利益の大型案件が偶然入った場合もあります。本当に確認したいのは、その利益率を継続できる構造があるかです。商品力、価格決定力、顧客構成、継続率、生産性、固定費、社員の能力などを含めて、将来も利益を作れる会社かを見る必要があります。
2.利益を増やすには経費を削ればよい
経費削減は利益改善の基本施策の一つです。不要なシステム、使われていないサービス、過剰な外注、非効率な広告などを見直すことには意味があります。しかし、削減できるコストには限界があります。社員教育、商品開発、営業、マーケティング、設備、DXなど、将来の利益を生み出す投資まで削れば、短期利益は増えても将来の競争力が低下します。
利益体質の改善では「何を削るか」だけではなく、「何へ投資すれば、より大きな付加価値を生み出せるか」を考える必要があります。中小企業白書でも、付加価値を高めるための行動や成長投資に意欲的な企業の動向が分析されています。
3.売上が増えれば自然に利益体質になる
売上が2倍になっても、人件費、広告費、外注費、物流費、管理費まで2倍になれば利益体質が強くなったとは言えません。受注するほど現場が忙しくなり、そのたびに人を増やさなければならない会社では、売上とコストが連動します。
重要なのは、売上を増やすことに加え、「同じ売上でもより利益を残せないか」「同じ人数でもより大きな価値を生み出せないか」という視点です。中小企業白書でも、就業者数の減少が見込まれる中、一人当たりの成果を高めるために生産性向上が重要とされています。
4.値上げすれば利益体質になる
値上げは利益改善に大きな影響を与える可能性があります。しかし、顧客が感じる価値を変えずに価格だけ上げれば、顧客離れが起きる可能性があります。また、一度値上げして利益率が改善しても、提供工数や固定費が増え続ければ再び利益率は下がります。
本当に必要なのは値上げだけではありません。商品価値を高める。対象顧客を見直す。提供方法を効率化する。価格体系を変える。継続商品を作る。これらを組み合わせることで、値上げに頼らない利益体質を作ります。
5.利益体質改善は経理や財務担当者の仕事である
利益を数字で確認するためには財務管理が必要です。しかし利益が生まれる場所は経理部門ではありません。商品企画、WEB、広告、営業、接客、実務、顧客フォローなど、会社の日々の活動から利益が生まれます。
例えば営業が過度な値引きをすれば粗利が下がります。実務で予定より工数が増えれば利益が消えます。顧客フォローがなければ継続率が下がります。採用や教育が弱ければ生産性が上がりません。利益体質改善は財務部門だけではなく、会社全体の経営課題です。
なぜうまくいかないのか
1.会社全体の利益だけを見ている
会社全体では黒字でも、商品別、顧客別、事業別に見ると赤字が存在する場合があります。売上5000万円の商品Aが非常に儲かっている一方、売上3000万円の商品Bがほとんど利益を残していない。それでも会社全体では黒字なので問題に気付かないということがあります。
利益体質改善を扱う実務記事でも、粗利率の低い商品や顧客、不採算案件、部門別や顧客別の採算が把握できていないことが典型的な問題として挙げられています。 会社全体の損益だけでなく、「どこで稼ぎ、どこで利益を失っているのか」を分解する必要があります。
2.低利益の商品を売り続けている
よく売れる商品が、最も儲かる商品とは限りません。単価は高いが営業工数が多い、仕様変更が頻繁に発生する、納品後のサポートが多い、専門社員しか対応できないなど、見えにくいコストが発生していることがあります。
売上だけで商品を評価すると、「売れているからもっと売ろう」と判断します。しかし、本当に確認すべきなのは粗利と工数です。100万円の商品でも50時間かかるものと、70万円でも10時間で提供できるものでは、会社へ残す価値が違います。
3.顧客を選んでいない
すべての顧客が会社へ同じ利益をもたらすわけではありません。毎回値引きを求める顧客、仕様変更が多い顧客、契約外の対応を求める顧客もいれば、会社の価値を理解し、適正価格で購入し、長く継続し、別の商品も利用し、紹介までしてくれる顧客もいます。
利益体質を強くするためには、売上高だけではなく「どの顧客と長く付き合うべきか」を考える必要があります。理想顧客が明確になれば、商品、WEB、集客、営業の方向性も揃います。
4.単発売りで顧客との関係が終わっている
一度購入してもらった顧客との関係がそこで終了する会社では、毎月新規顧客を獲得し続ける必要があります。広告を出す、問い合わせを集める、営業する、契約する。そして翌月またゼロから繰り返します。
一方で、購入後にも顧客の課題は続きます。基本商品から上位商品、関連商品、定期サービス、保守、コンサルティングなど、次の価値を提供できる可能性があります。一人の顧客と長く付き合えるほど、新規獲得だけに依存しない利益構造になります。
5.売上と人件費が完全に連動している
売上を増やすためには必ず社員を増やさなければならない会社では、人件費も増え続けます。もちろん人材採用は必要ですが、すべての仕事を人間が一から行う必要があるかは見直す必要があります。
営業資料を標準化する。業務マニュアルを作る。AIで情報整理を効率化する。CRMへ顧客情報を集約する。定型作業をシステム化する。教育を動画化する。このような取り組みによって、一人当たりが生み出せる価値を高めます。生産性向上は、労働力の供給制約が強まる中で重要な経営課題です。
6.利益を数字で管理していない
売上目標は毎月確認しているのに、粗利や営業利益、商品別採算をほとんど確認していない会社があります。これでは営業担当者も「売れば良い」と考えやすくなります。
損益分岐点分析では、費用を変動費と固定費へ分けることで、利益がゼロになる売上規模を把握し、目標利益を達成するための改善策を検討できます。 売上、粗利、固定費、営業利益、損益分岐点、商品別利益など、自社に必要な数字を定期的に確認することが利益体質改善の土台になります。
5方良し経営を体系的に知りたい方へ
《無料セミナー 開催中》
― 利益・理念・幸せを両立させる新時代の経営 ―
「利益だけでなく、人も会社も幸せにする経営」
それが 5方良し経営。 「会社・従業員・顧客・世間・次世代」すべてが豊かになる仕組みを体系的に学べます。
5方良し経営セミナーとは?
経営の原理原則を、実践ワークと事例で学べる90分講座。
放置するとどうなるか
1.売上が増えるほど会社が忙しくなる
低利益体質のまま売上を増やすと、営業、納品、顧客対応、管理の仕事量が増えます。人員も必要になります。しかし一件当たりの利益が少なければ、人を増やした分だけ利益が減る可能性があります。
結果として「過去最高売上なのに過去最高に忙しいだけ」という会社になります。利益体質改善では、売上を増やす前に一件の受注から適正な利益が残る構造を作ることが重要です。
2.社員へ還元できなくなる
利益が少なければ、昇給、賞与、教育、福利厚生、働く環境などへ使える原資も限られます。社員へもっと還元したいと思っても、会社に利益が残っていなければ難しくなります。
中小企業白書では、企業が生み出した付加価値を基に人件費などを賄い利益を得ていること、収益拡大から賃金引上げへの好循環を続けるには、起点となる付加価値そのものを増やす必要があるとされています。
3.未来への投資ができなくなる
利益が少ないと、目の前の運転資金を確保するだけで精いっぱいになります。商品開発、採用、教育、AI、DX、設備、新規事業、マーケティングなどの投資が後回しになります。
しかし競合企業は投資を続けます。時間が経つほど商品力、生産性、採用力などに差が生まれます。利益は単なる余剰資金ではなく、次の競争力を作るための原資です。
4.値下げから抜け出せなくなる
利益に余裕がない会社ほど、「売上を取らなければ」と焦りやすくなります。顧客から値下げを求められ、断ると売上がなくなるため受け入れる。利益率が下がるため、さらに件数を増やさなければならない。その結果、さらに忙しくなるという悪循環が起きます。
利益体質を改善するには、価格を下げなければ選ばれない状態から抜け出し、「この会社だからお願いしたい」と思われる付加価値を作る必要があります。
5.社長自身が働き続けなければ利益が出なくなる
利益を残すために社長自身が営業し、実務を行い、管理まで担当している会社があります。社長の人件費を十分に計算しなければ、表面上は利益が出ているように見えるかもしれません。
しかし社長が休めば売上や利益が落ちるなら、強い利益体質とは言えません。社長の能力を営業方法、商品、教育、判断基準、業務フローなどへ移し、社員や仕組みでも利益を生み出せる会社へ変える必要があります。
6.変化に弱い会社になる
高い利益を継続的に確保できれば、不況、大口顧客の解約、原価上昇、設備故障などがあっても一定の余力があります。一方で利益がほとんど残らない会社では、小さな売上減少でも資金繰りへ大きく影響する可能性があります。
利益体質を強くすることは、単に儲けを増やすことではありません。変化が起きても経営を続けられる耐久力を作ることでもあります。
5方良し経営を体系的に知りたい方へ
《無料オンライン説明会 開催中》
『5方良し経営 実装プログラム』
学ぶだけで終わらせない
5方良し経営を自社に導入し、売上・組織・理念を同時に成長させるための実装支援サービスです。
- 経営理念の言語化と浸透
- 採用・育成・評価の仕組み構築
- 集客・利益設計:業務改善から経営まで一気通貫
《解決策》
実践ステップ
利益体質を改善するには、経費削減だけを進めるのではなく、「利益の見える化」「顧客と商品の選択」「付加価値」「価格」「生産性」「継続と再投資」という順番で会社全体を見直します。
1.利益がどこで生まれ、どこで消えているかを見える化する
最初に会社全体の利益だけを見る状態から抜けます。商品別、顧客別、事業別、営業担当別、チャネル別など、自社に必要な単位で売上と利益を分解します。さらに売上原価だけでなく、営業工数、提供工数、アフターフォローなども確認します。
収益性分析では、自社の過去実績、業界平均、目標と実績などを比較する考え方があります。 「なんとなく利益が少ない」ではなく、「商品Aの粗利が低い」「顧客Bは対応工数が大きい」「広告Cの獲得単価が高い」という具体的な問題へ変えることが最初のステップです。
2.利益の高い商品と顧客へ経営資源を集中する
利益構造が見えたら、利益率が高く、顧客満足も高く、継続や紹介につながりやすい商品と顧客を特定します。そして、その領域へ営業、人材、広告などの経営資源を集中します。
反対に、赤字商品を値上げするのか、提供方法を変えるのか、縮小するのかも検討します。すべての売上を守ることより、会社を強くする売上を増やすことが重要です。
3.商品そのものの付加価値を高める
次に、単純な値上げではなく「もっと大きな価値を提供できないか」を考えます。商品だけを販売しているなら診断や提案を追加する。作業だけを請け負っているなら成果まで支援する。導入だけなら教育や運用支援を追加する。顧客が別会社へ相談している周辺課題まで解決できないか考えます。
付加価値そのものを増やすことは、企業の利益や賃金を支える重要な起点です。 安くすることで売るのではなく、より大きな価値を提供することで適正な利益を得る方向へ変えます。
4.価格と商品構成を再設計する
価値を高めたら、価格も見直します。単純な一律値上げだけではなく、ライト、スタンダード、プレミアムのように選択肢を作る方法もあります。入口商品、本商品、上位商品を分けることもできます。
重要なのは「競合がいくらか」だけで価格を決めないことです。顧客へ提供する価値、原価、営業費用、実務工数、必要な利益、将来投資まで考えます。適正利益が残らなければ、将来的に顧客へサービスを提供し続けることも難しくなります。
5.人と業務の生産性を高める
次に、価値提供に必要な時間とコストを見直します。同じ仕事を繰り返し手作業で行っていないか、社長やベテランしかできない業務がないか、二重入力や不要な会議がないかを確認します。
業務標準化、マニュアル、動画教育、AI、CRM、システム、自動化などを活用し、人が本当に行うべき仕事へ集中できる状態を作ります。中小企業の生産性向上は、今後の労働力の供給制約を考えるうえでも重要な課題です。 人件費を削るのではなく、一人が生み出せる付加価値を高めることを目指します。
6.継続収益と再投資の循環を作る
最後に、一度売って終わる経営から抜けます。購入後の顧客へ、次に必要になる商品、継続支援、保守、関連商品などを提供できないか考えます。また、顧客満足が高まったら、紹介につなげる仕組みも作ります。新規顧客を獲得し続けるだけではなく、既存顧客との関係を深め、継続的に価値を提供することで、安定した収益基盤を作ることが重要です。
こうして生まれた利益は、社員教育、商品開発、DX、マーケティング、新規事業などへ再投資します。利益を残すだけで終わらせず、将来の付加価値や生産性を高めるために使うことで、会社の収益力そのものを強くできます。利益を出す、投資する、価値が高まる、さらに利益が増えるという循環まで作ることが、本当の利益体質改善です。
7.一般的解決策との違い
一般的な利益改善では、「値上げする」「経費を削る」「売上を増やす」「原価を下げる」といった個別施策から始めることが多くあります。もちろん、これらは必要です。しかし一つの数字だけを改善しても、会社全体の構造が同じであれば再び利益が減る可能性があります。
例えば値上げしても実務工数が増え続ければ利益は減ります。広告費を減らしても新規顧客が途絶えれば売上が減ります。人件費を削れば短期利益は増えても、サービス品質や社員定着へ影響する可能性があります。
本記事で考える利益体質改善では、商品、顧客、価格、集客、営業、実務、継続、人材、管理、再投資までを一つにつなげます。「利益を増やす施策」ではなく「利益が残り続ける会社そのものを作ること」が大きな違いです。
利益体質へ変わるには、「利益を見える化する」「高利益の商品と顧客へ集中する」「付加価値を高める」「価格と商品構成を見直す」「生産性を高める」「継続と再投資の循環を作る」という6つのステップが重要です。
利益体質とは、社長や社員が無理をして利益を作ることではありません。通常通り価値を提供することで適正な利益が残り、その利益によって会社がさらに強くなる構造を作ることです。
5方良し経営で再設計
利益体質を会社の利益だけで考えると、社員の給与を削る、顧客サービスを減らす、取引先へ値下げを求めるといった方法に偏る可能性があります。しかし、それでは長期的に利益を生み続ける会社にはなりません。会社、従業員、顧客、世間、次世代という5つの視点で利益体質を再設計します。
1.《会社良し》
売上ではなく利益と再投資が積み上がる会社へ
会社良しでは、売上規模だけではなく、粗利、営業利益、生産性、継続率などを確認します。利益率の高い商品と顧客へ経営資源を集中し、低利益の商品や無駄な業務を改善します。そして残った利益を商品、人材、DX、新規事業へ投資します。利益を貯めるだけではなく、次の利益を生み出す資産へ変えることで、年々強くなる会社を作ります。
2.《従業員良し》
利益改善が社員への還元につながる会社へ
従業員良しでは、人件費を削って利益を残すのではなく、一人当たりが生み出す付加価値を高めます。AIや業務改善によって単純作業を減らし、教育によって専門性を高め、社員がより価値の高い仕事へ集中できる状態を作ります。そして生まれた利益を給与、賞与、教育、働く環境などへ還元します。会社の利益と社員の利益を対立させず、会社が儲かるほど社員にも良いことが増える構造を目指します。
3.《顧客良し》
利益を増やすほど顧客価値も高まる会社へ
顧客良しでは、顧客サービスを削って利益を増やすのではなく、顧客が受け取る価値を高めることで適正な利益を得ます。専門性、提案、スピード、保証、アフターフォローなどを改善し、「高いけれど選ばれる」のではなく、「受け取る価値を考えれば納得できる」と思われる商品を作ります。継続商品や関連サービスも、会社都合で販売するのではなく、顧客の次の課題を解決するものとして設計します。
4.《世間良し》
取引先と一緒に利益を生み出す会社へ
世間良しでは、利益改善のために仕入先や外注先へ一方的な値下げを求めません。業務を共同で効率化する、新商品を共同開発する、顧客を紹介し合うなど、お互いに価値を増やせる方法を考えます。自社だけが利益を残すのではなく、取引先にも利益が残る関係を作ることで、長期的な供給力や信頼関係も強くなります。
5.《次世代良し》
現在の利益を未来の競争力へ変える会社へ
次世代良しでは、今期の利益だけを最大化するのではなく、次の人材、技術、商品、事業へ投資します。社員教育、後継者育成、AI、DX、新規事業、顧客データ、業務ノウハウなど、未来にも価値を生み出す資産を会社へ残します。現在の社長や現在の商品だけに利益を依存せず、経営者が変わっても利益を生み続けられる会社を目指します。
5方良し経営で利益体質を考えると、「誰かへの支払いを減らして利益を残す」という発想から離れられます。会社には利益と投資余力、従業員には報酬と成長、顧客には高い価値、世間には良い取引、次世代には未来への投資を残します。会社が利益を出し、社員へ投資する。社員が成長して顧客価値が高まり、顧客から支持されてさらに利益が増える。その利益を社会や未来へ再投資する。この循環こそ、長期的に強い利益体質です。

「売上はあるのに利益が残らない」「もっと利益率を上げたいが何から改善すればよいか分からない」「値上げするべきなのか、経費を削るべきなのか判断できない」「社員を増やすほど会社が忙しくなる」「利益が出ても翌年にはまた元へ戻ってしまう」。このような悩みがある場合、一度、社長の分身にご相談ください。年商1~100億まで対応。どんな悩みも無料で相談できます。
利益体質を改善するとき、最初から「経費を削りましょう」「値上げしましょう」とは考えません。まず社長の本音を出します。どんな会社を作りたいのか、どの程度の売上と利益を目指すのか、その利益で何を実現したいのか、社員へどのくらい還元したいのか、社長自身はどの仕事から離れたいのかを整理します。
次に経営の原理原則から会社全体を確認します。理念、評価、教育、採用、管理という会社基盤と、商品、WEB、集客、営業、実務という成長戦略を整理します。商品では「本当に利益が残る商品なのか」、WEBと集客では「理想顧客を集められているか」、営業では「適正価格で価値を伝えられているか」、実務では「工数や人件費が膨らんでいないか」、管理では「商品別や顧客別の利益を把握できているか」を確認します。
さらに、一度購入した顧客へ継続的に価値を提供できないか、既存商品の上位商品や関連商品を作れないか、他社との提携によって新しい収益を作れないか、AIやシステムによって人が行っている業務を効率化できないかまで検討します。
すると、「利益が少ない」という一つの問題を、商品、価格、顧客、集客、営業、実務、人材、管理など複数の原因へ分解できます。その中から最も利益を止めている場所を見つけ、優先順位を決めます。
社内だけで実行できない場合には、マーケティング、営業、WEB、採用、AI、システム、財務など必要な専門家や実務担当者を組み合わせ、丸投げできるチーム設計まで整理します。
社長自身がすべての専門家になる必要はありません。社長が決めるべきなのは、どんな会社を作りたいのか、何のために利益を出すのかという方向です。
目指すのは、一時的に経費を削って利益を作ることではありません。商品を売るほど顧客が良くなり、社員が成長するほど生産性が高まり、その結果として会社に利益が残り、その利益がさらに次の成長を生む会社です。
利益体質とは、一時的に利益が出ていることではありません。通常通り事業を行っていても適正な利益が残り、その利益を次の成長へ再投資できる会社の構造です。売上だけを増やしても、原価、人件費、広告費、実務工数まで増えれば利益体質は強くなりません。
まず、商品別、顧客別、事業別に利益を見える化し、どこで利益が生まれ、どこで消えているかを確認します。そのうえで高利益の商品と顧客へ集中し、付加価値、価格、提供方法、生産性を改善します。さらに単発売りから継続、関連商品、紹介へつなげ、一人の顧客へ長く価値を提供できる構造を作ります。
そして利益が生まれたら、社員教育、商品開発、AI、DX、新規事業などへ再投資します。利益を残すことをゴールにするのではなく、その利益を使って人材、商品、仕組み、生産性をさらに強化し、次の利益を生み出せる状態へつなげることが重要です。こうして、利益を出す、再投資する、提供価値が高まる、さらに利益が増えるという循環を作ることで、会社の利益体質そのものが強くなっていきます。
利益体質の本質は、「もっと売ること」でも「もっと削ること」でもありません。顧客へ高い価値を提供し、社員が効率良くその価値を届け、会社に適正な利益が残り、その利益が社員、顧客、社会、未来へ再投資される仕組みを作ることです。この構造を整えることが、売上に振り回されない強い会社への第一歩になります。



